母のこと

お昼休み、携帯を見ると二男からメールが届いていた。
「今から家出する」
な、なんだって~

その後、いくら電話しても留守電になったまま。
仕方ないので「電話して」とメールを送っておいたら、 夜9時くらいにやっと電話がかかってきてた。
とりあえず、帰って来ることになった

まったくこの時期になんてこった。
あと2週間ほどで私立の試験が始まると言うのに。

ことの発端は、エル。
朝、洗濯物を2階のベランダに干してから出勤した。
その後、母が何かをベランダに干しに行ったらしい。
母が下に降りてきてから、「エルが見つからない」と言うので二男が見に行くと、階段前の柵もベランダの窓もおまけに玄関まで開けっ放し。
そこまで聞いて、その後の二人が容易に想像できた。
ちゃんと閉めろと怒る二男&猫なんか飼うからだと逆ギレする母の構図
(エルは2階のいつもの部屋にいました)



できればネガティブなことはブログに書きたくないと思っているのだけど・・・
母の件では皆さんに心配かけてしまったので、現状を書きます。
長くなるので、読みたい人だけ読んでください。





年々、母の物忘れがひどくなっていたけれど、もう80近いのだから仕方ないと思っていた。
でも、これは絶対おかしいと感じ始めたのは1年くらい前から。

一度思い込んでしまったことは、何度そうじゃなくてこうだからと言っても、記憶が訂正されない。
だんだんと、自分でやったことを忘れるようになってきた。
宅配便を受け取っているのに受け取っていないと言う。
さっき自分で作っていた煮物が入った鍋を見て、あんたが作ったの?と聞く。
探し物が見つからないと、誰かに盗られた、または隠されたという。

そんなことが繰り返されるようになったので、専門の先生にきちんと診てもらおうと言うと、
「私は今までボケて人に迷惑かけたことなんて1度もない。人のことバカにして!」と怒る。
本人に認知症の自覚なんてないので、専門医のところに連れて行くのが最初の関門だと思う。


大きな総合病院の物忘れ外来(一応リハビリ科ということになっている)では医師の問診、脳のMRⅠ、血液検査、療法士による記憶力テストや計算問題などをした。
検査結果は、血液に異常はなし、脳の血栓なども見られない、つまり身体的な異常はなし。

それから認知症判断のテストの結果が、数値として折れ線グラフで表されたものを見せられた。
ちょうど模擬試験のように、真ん中に偏差値50のラインが引いてあり、この偏差値50ラインが母の年齢の平均値を指している。
偏差値45以上は通常範囲以内。
偏差値が高いほど、その年齢の基準より能力が高いことを示しているということになる。
母の総合偏差値は54、つまり平均より能力が高い!!
では、認知症ではない!と言えるのかというと、そうではない。

母の場合、会話力、計算能力が偏差値60超えとかなり高い。
だけど短期記憶力が30前半とかなり低い。
記憶力がそれだけ低くなると、非常に問題が出てくる。
少し前のことを、どんどん忘れていってしまうのだ。

脳のMRIの画像を見せてもらうと、脳全体が委縮していて、特に記憶をつかさどる部分が一番スカスカになっていた。
つまりアルツハイマー型認知症。


母は会話能力が高いので、誰とでもごく普通に会話できる。
夜、お風呂に2回も入っていたので、「さっきも入ってたのに、また入ってるの?」と聞いたら、
「さっきは風呂場で髪の毛を染めていただけ、今はお湯が溜まったので入っている。」と返事をした。
その日に髪の毛なんて染めてない。
それでも、瞬時にいかにももっともらしい答えができる。
もちろん本人は、ウソを言ってるつもりなどまったくない。

文章もちゃんと書ける。
先日はいつもいろいろ送ってくれる親戚にお礼の手紙を書いて、自分でポストに入れに行った。
だけどそのことを忘れて、また手紙を書いてポストに入れ・・・
結局3通の手紙が届いたそうだ。

計算能力も高いので、買い物に行き、きちんとお金を払い、家計簿を付けている。
でも、レジ袋から品物を出してテーブルに置いたら、自分で買ったものかどうかわからなくなる。
それで最近は自分の買ったものに、マジックで名前を書いている。
ところが自分が買ったもの以外にも名前を書き、自分のものだと言い張る。

療法士との面談の時に、私が仕事をやめて、一緒に家にいる方が良いか聞いてみた。
答えはノー!
介護のために仕事をやめて、仲良く生活できる人はほんのわずか。
たいてい一緒にいる時間が長くなるほど、関係が悪化してくるそうだ。
たまに来る人にはとても感謝するのに、一番身近な家族のことをボロクソに言うのが認知症の特徴のひとつとして挙げられる。
もちろん症状や本人や家族の性格などで違うので、一概にはいえないけど。
うちの場合は、もし必要なら他人に介入してもらうのが良いと言われた。

今のところ短期記憶障害と少々被害妄想があるだけで、あとは何でも自分でできる。
介護認定をお願いしても、要介護ではなく、せいぜい要支援1と言うところだろう。


昔から言いたいことを言う母だった。
それでも、以前はこれ以上言ってはいけないラインはわかっていたはず。
今はもう相手がどう思うかなんてこと、まったく関係ない。
言いたい放題言って、本人はきれいさっぱり忘れる。

今、最高にピリピリ状態にある息子に槍のような言葉を投げつける。
おばあちゃんは病気なんだからと息子に言っても、それを受け止める余裕がない。
ことあるごとに泥棒扱いされる夫は、できるだけ母と話さないように離れる。
その間を右往左往する私。
みんなが自分の心を守るために必死。
認知症って本当にやっかいな病気だとつくづく思う。

父は癌で亡くなった。
本人にも病気の自覚があるし、体がどんどん弱っていくのを見ていて本当に可愛そうだった。
認知症の人も本当に可愛そうだ・・・そう、頭ではわかっている。
わかっているけど、心が受け入れない。 

今出されている薬は、認知症の進行を遅らせるもの。
平均で1年~1年半進行を遅らせることができるというけど、あくまで平均。
根本的に治すことも、現状維持することもできない。

本当に要介護の人を家族で介護している人から見れば、今の私の状況など羨ましいほどラクだと思うんだろう。
私も2年くらい経った時、あの頃は良かったと今の状況を懐かしむのかもしれない。
いったいこの先どうなるのか・・・そんなこと、考えてもわからない。
その時その状況で対応していくしかない。


・・・・・今はそんな感じ・・・・・


冷静に書こうと思っても、やっぱり感情的になってしまうものなんだなって、自分の文章を読んで思った。



このブログにコメントして下さる方は、実親・義親と同居している方が多いですよね。
家族以外の人にはわからなくても、何かおかしい!と感じたら、必ず専門外来のある病院に行って、検査してください。
母のように総合偏差値だけで見ると人並み以上の数値が出る場合、専門医でないと、認知症を見逃してしまうことがあるのだそうです。


今回はコメント欄閉じますね。


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プロフィール

Author:woojyan
千葉県在住。
思い描いていた気ままな50代とはほど遠いけど・・・
今は会社員の夫と認知症の実母、そしてたくさんの動植物と暮らしてます。

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おたん(♀) 推定2015年生まれ。猫一家のお母さん。16年夏より時々姿を見るようになり、秋に1匹ずつ子どもを引き連れてやってきた。

おたんの子供たち (右上)茶白猫・茶シロー(♂) 2016年春生まれ。優しくて面倒見のよいお兄さん。

(右下)茶トラ猫・ナオト(♂) 2016年夏生まれ。他の子の対応を見てから行動する慎重派。

(中下)黒猫・クロ(♀)
2016年夏生まれ。兄妹の中で一番の運動神経の持ち主。

(左)三毛猫・もみじ(♀) 2016年夏生まれ。好奇心旺盛で、甘えん坊な末っ子気質。

おちょう(♀) 推定2016年春生まれ? 2016年秋ごろから庭訪問の優しい子。おたんにそっくりだけれど、親子ではないらしい。

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